このページでは IPF JAPAN 2023に出展するスペックポンプの情報をお伝えしていきます。期間は2023年11月28日(火)から12月2日(日)の5日間です。 場所は幕張メッセです。
スペックジャパンのブースは52014です。
こちらは今回展示するポンプの紹介動画です。
ここからは展示するポンプの紹介をします。
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【展示ポンプの紹介】
TOE型マグネットポンプシリーズは熱媒油などの使用で最高350℃まで使用可能なポンプです。通常のNPY型との違いは、下記の動画にもありますように、まずはケーシングのボルトが通常4本→TOE8本止めであること。また媒体を閉じ込めるCanが通常タイプとは違い、ケーシングカバーまで一体型であること。これにより最高350℃までの使用が可能なポンプになります。
高温油用350℃ TOE-NPY-2251-MK マグネットポンプ
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小型水封式真空ポンプ VIシリーズは最小0.12kwから2.2kwまである小型の水封式真空ポンプです。通常の真空ポンプはケーシングカバーを外すと、インターケーシング→インペラーの順番になり、メンテナンスの際の取り外しに時間が掛かりますが、このVIシリーズはインペラー→インターケーシングの順番になり、特別な工具を使わずに取り外しが可能なメンテナンスしやすいポンプになります。
省エネ式インバーター水封式真空ポンプのBluvacは主にヨーロッパでプラスチック製窓枠成形の押し出し装置に使用されています。真空センサーで常に真空度をチェックし、自動的に最低回転数で真空引きをしてくれる水封式真空ポンプです。
水封式真空ポンプ + インバーター = BluLine水封式真空ポンプ
スペックBluLineシリーズは、インバーターを搭載した水封式真空ポンプになります。ベースとなるポンプは、水封式真空ポンプの特徴でも説明しました、Vシリーズ・VIシリーズ・VGシリーズ・VNシリーズ それぞれのポンプです。これらのポンプにインバーターが搭載された製品がBlueLineシリーズになります。
このBluLineシリーズの中でも、取り分け水分を大量に含むようなガスを吸引する場合は、セパレタータンクが搭載された、BluVac水封式真空ポンプユニットを使用します。BluVacならば、最大12(m3/h)の水を処理することが可能です。(通常のBluLineでは4(m3/h)程度)。樹脂窓枠の押出成形では大量の水分を含んだガスを吸引することになるので、このBluVacが使用されています。
コントロールパネルで自動的に最適な回転数に調整。最大の省エネ効果を生み出す。
BluLineの特徴的なポイントとして、圧力センサーによって設定真空度に到達した場合、ポンプの回転数を自動的に減速してくれる点があります。これによって、これまで100%の動力で動かしていたポンプを70%や60%の動力で動かし、省エネを実現する事ができます。
下図では、赤線にこれまでのインバーターが付いていない水封式真空ポンプ。青線をインバーターが搭載されたBluVac水封式真空ポンプでの比較としています。青線のBluVacではある一定時間ガスを吸引し終えた後に、高真空度を必要としなくなるため、回転数を落とすことができます。これは窓枠成形の押出工程での特徴でもあります。これまで100%の動力で回転していたポンプに外部からガスをポンプに追加して調整していましたが、回転数そのものを何割か抑えて運転する部分の全てが省エネになります。
こちらはBluVacの紹介動画になります。
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AY-2251-PM-SRポンプは半導体製造用のチラー循環装置に使用されている小型のキャンドタイプポンプです。
AY-2241-PMポンプも半導体製造のチラー循環装置に使用されているVFD稼働式のカスケードポンプです。最大揚程160mの小流量かつ高揚程の用途に適しています。
半導体チラー装置に採用されているのが、インバーター稼働式のPMモーターキャンドポンプのAY-2251-PM-SRや低流量・高圧力を出せるAY-2241-PMポンプです。どちらのポンプも、スペースの限られるチラー装置に適したコンパクトサイズで、インバーターで回転数を変えられるため、最適回転数での稼働が可能な省エネポンプになっています。
誘導モーター・マグネットポンプ | PMモーターポンプ | |
使用温度帯 | マイナス100℃から+350℃まで | マイナス100℃から+350℃まで |
※低温ではフッ素系媒体100℃まで使用可能 | ※低温ではフッ素系媒体100℃まで使用可能 | |
使用電源 | 商用電源(AC200V)でモーターを回せる | インバーターでモーターを可変回転させる。 |
※インバーター使用も可能(45~67Hz) | (省エネになるためIE規格外に→モーター高効率規制に有利) | |
商用電源だけでは回せずに、 | ||
インバーターを使用して回すタイプ。 | ||
サイズ | 通常(スペック社は他社よりもコンパクトと評価されています) | 誘導モーターよりも更にコンパクト・キャンドは最小サイズ |
規格 | CE規格 UL規格 GB規格 安全増ATEX など取得可能 | CE規格 UL規格 GB規格 安全増ATEX など取得可能 |
※インバーターもCE・UL規格取得済み | ||
モーター規格 | IE3(2020年12月現在) | ※PMモーターはIE規格外(モーター効率はIE4以上) |
→モーター高効率がIE4に上がった際に変更の手間がない | ||
モーター過負荷 | バルブを締め切り過ぎた場合に | ※スペックPMモーターはモーター定格電流値を超えようとすると自動的にインバーターがモーターを減速させる設定になるためモーター過負荷は起こらない。 |
定格電流値を超えるモーター過負荷は起こり得る。 | ||
能力(流量・圧力) | システム抵抗値により1点に決まる | インバーターの可変により最高4000回転(※ポンプにより変わる)まで様々な能力を選択できる |
能力の調整 | 吐き出しバルブの開閉で調整 | インバーターによるモーター回転数変更で調整 |
PM同期モーターポンプカタログ(日本語)
- トップランナー制度の規制対象外
- よりコンパクト・長寿命・省エネ化を実現
- 1台で広範囲な稼働点を選択可
スペックPM同期モーターポンプの構成
①PM同期モーターが トップランナー制度の規制対象外の理由
PM同期モーターはインバーターで可変運転する同期モーターのため、誘導モーターに関するトップランナー制度の規制対象外になります。(※50~200Hz - 1000~4000回転:スペック社PMモーター)また実質的なモーター効率も国内トップランナー規制および海外高効率規制の効率IE3レベルを超えています。
※インバーター駆動専用の誘導モーターでも、 商用電源で運転可能の場合はトップランナーの対象になります。
PMモーターはモーター高効率規制(トップランナー制度)の対象外です。
将来の高効率規制動向にともなう設計変更、変更申請などの作業緩和につながります。
②モーター効率化による周辺機器の変更も省略
PM同期モーターはIEクラスのトップランナーモーターのように、始動時における過大な始動電流・突入電流を発生させません。よって周辺機器の変更などの手間を省略する事ができます。
③誘導モーターよりコンパクト・長寿命化・省エネ設計
通常の誘導モーターを使用するマグネットポンプよりも、PM同期モーターポンプはコンパクト設計になります。他社メーカーと比べてもコンパクト設計と言われるスペック・マグネットポンプがよりコンパクトサイズになったのがPM同期モーターポンプです。
1,1kw PM同期ポンプのサイズ例
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DCポンプ MY3-MMはデータセンターのサーバー冷却循環用に使用されているポンプです。超小型サイズで最大120l/mの流量を出します。
DCポンプ MY3-MM-plusはデータセンターのサーバー冷却循環用に使用されているポンプです。従来のMY3-MMの上位バージョンで流量も最大150l/m出すことができます。
秒単位で世界で上昇していくデータ取引量の増加と共に、その処理基地であるデータセンターのサーバーが発する熱量も日増しに大きくなっており、関係者の悩みの種になっています。これまでは空冷で対応できていたデータサーバーも空冷では追いつかずに、液冷で温度上昇するサーバーを冷やすのが主流となりつつあります。
しかしながらデーターサーバーの中は限られたスペースしかなく、場所を取る大きいポンプを使うことはできません。また小型ではあるけども、大量の冷媒でサーバーを冷やす必要があるため、大流量を流せるポンプという条件が付いてきます。そこで採用されているのがスペック社のDCモーターポンプ MY-3-MM です。DCモーター駆動でコンパクトサイズ、また最大150l/mの大流量で熱したサーバーを冷やし続けます。
渦巻き型PMキャンドポンプ MY25-90-PM-SRはデータセンターのサーバー冷却循環に使用されています。インバーター稼働式で最大流量240 l/mまで出ます。
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DCモーターギアポンプのZY-13XXポンプは、いま話題のEV急速充電器の冷却循環ポンプとしてヨーロッパで採用されています。今後、急速充電器は日本国内でも普及していく見通しです。
スペック社のギアポンプZYシリーズはヨーロッパでEV(電気自動車)用・急速バッテリー充電器の冷却ポンプとして採用されています。
短時間でバッテリーを充電するためには、電流値の引き上げと高出力化が必要です。しかし充電器が高出力化になれば、それに伴い発生する熱も大きくなっていきます。
CHAdeMoと呼ばれる日本の急速充電方法では2020年にはチャージ(充電)接続口が強制液冷仕様の60℃以下制御となっていますが、そこまで発熱温度が高くはないために現状での冷却方法は空冷が主流となっています。日本のCHAdeMoでの充電器は最大でも50kwです。
欧州の急速充電方法であるCCS(Combined Charging System 通称コンボ)では既に最大350kwの充電器を実用化しチャージャーのコネクターも高温下します。その場合、日本のような空冷方式ではチャージャーを充分に冷却できず、水冷の冷却方式が主流になっています。
欧州では長距離運転をする車が多く、そのためには短時間の充電器が必要という背景があります。反対に日本では短距離運転の車が多く、充電器とコストの兼ね合いで現状のような最大50kwという背景があります。
ヨーロッパにおいて充電器コネクターの先端に熱媒体を流して冷却しているのがスペック社のZYギアポンプです。
ZYギアポンプがEV充電器に採用される理由
1.小型サイズかつ高圧力
一般的にEVの急速充電器(High Power Charger)の中のスペースは非常に限られた狭いスペースになっています。それゆえに使用ポンプも小型サイズが求められます。また充電器の狭いスペースには同様に小型の機器がたくさん入っており、ポンプに掛かる対圧も非常に大きくなります。よって小型ポンプでも高い圧力を必要とするZYポンプになります。
2.回転数を自由にコントロール
ユーザーの多くはポンプ回転数を自由に可変できるタイプを好みます。ZYポンプはBLDCモーターを搭載し、回転数を自由に動かすことができます。
3.低脈動
ZYポンプはほとんど脈動を起こさない低脈動ポンプです。全く脈動を起こさないことが理想ですが、上記の小型サイズ・高圧力・回転数可変というメリットで選ばれています。
【能力の特徴】
・容積式ポンプによる高圧力・低流量
・脈動が少ない
・30/80Wの低電力モーター
【モーターの特徴】
※BLDC(ブラシレス)キャンドモーター
※BLDC(ブラシレス)モーターとは・・通常、DCモーターにはブラシと呼ばれる回転子のコイルに流れる電流の向きを変えるものが付いていますが、ブラシには寿命があったり、効率はさほど良くありません。このブラシをなくして、その代わりに回転子に永久磁石を使用したものがブラシレスDCモーターです。永久磁石の回転子はブラシ付きモーターとは違い、周囲にある固定子のコイルと磁力で引き合うことでモーターを回転させます。ブラシによる寿命もなく、コイルがない分だけモーター効率も高いです。
・メンテンナスフリー
・回転数可変可能
【ポンプ能力】
【材質】
ケーシング:GGG40 鋳鉄
ギア:1.7131 ステンレス鋼
ベアリング:ブロンズ