ラクダよりもポンプという選択肢

 

どうもスペックジャパンのNです。

この業界に入りたての頃、ポンプとは何ぞや?を語る英語サイトがありました。

確かpump magazine(正解は pump and system でした)とか言う名前で、業界以外の人間は誰も読まないようなマニアックなオンライン雑誌です。いやポンプ業界の人でも、pump magazineと週刊SPA!が隣同士に陳列されていたら、SPA!を選ぶかもしれません。

 

ともかく。そんなpump magazineのコラムか何かに、ポンプという機械は一体なにか?を語るシーンがありました。業界40年くらいのポンプ博士みたいな髭モジャのおっさんです。しかしそのおっさんが言う、ポンプとは何か?という答えが、今でも私の記憶に残っています。

 

“ポンプとはこの世で唯一、遠くへ液体を移送することができる機械である。ドヤッ!”

実際にポンプ博士はどや顔したりしていませんでしたが、この世で唯一という言いまし辺りに彼の心のドヤっ!が垣間見えた気がします。

そう言う自分も、この世で唯一の〇〇という言い回しに弱いです。

 

冷静に考えれば、確かにポンプはこの世で唯一、液体を遠くへ移送することができる機械かもしれませんが、そんな事は他の機械でも結構言えたりします。

 

 

 

コンプレッサーはこの世で唯一、ガスを圧縮できる機械である。

熱交換器はこの世で唯一、液体同士の熱の移動を可能にさせる機械である など。

 

ポンプ博士があまりにも自信満々に

“ポンプとはこの世で唯一、遠くへ液体を移送することができる機械である。他にそんな機械はない” と言うので、自分もまんまと関心してしまったような気がします。

 

しかし、物体を遠く遠くへ移送させることができる、というフレーズはどこかしらロマンを感じます。空気を圧縮させます、とか、熱の移動を助けますか、とか、そういうのよりも、何か人間の根源的なものを触発するような何かがある気がします。

 

例えば、サハラ砂漠のどこかにぽつんとオアシスがあるとして、そのオアシスの水を何日も掛けてラクダに運ばせるか、それともパイプ配管を通してポンプで一気に送ってもらうか、という話になると思うんです。

現代に生きる私たちなら、ラクダよりもポンプを選びたいですよね。

個人的にはラクダの方が浪漫があると思いますが。

 

この例のように、アメリカみたいな広大な土地を持つ国では、単純に遠くへ液体を移送するための巨大ポンプというものがあり、また日本にある弊社のようなポンプは、温度調節装置やチラーと呼ばれる装置に使われ、装置内で熱い液体に変換して対象を温めたり、逆に装置内で冷たい液体に変換して対象を冷やしたりと、様々なシステム抵抗値の原因となる配管やコンデンサー・熱交換器というトンネルを勢いをつけて突破するためのポンプという役割で使われています。

広義の意味で、液体をAからBへ移動させるという目的は同じです。

 

 

人を移動させるには車や飛行機。

液体を移動させるには、ラクダかポンプ。

こんな風に覚えておきたいですね。

 

 

 

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