カスケードインペラーと渦巻きインペラーのドラゴンボールな関係

昔、ドラゴンボールという漫画でゴテンとトランクスが合体するフュージョンという技がありました。ご飯とトランクスがお互いの指を突き合わせながら、“フュージョン!”と叫ぶとあら不思議。ゴテンとトランクスを足して2で割ったような1人の人間が出来上がるのです。

 

ポンプにもこれと似たような話があります。

 

 

スペックポンプの主力製品はカスケードインペラーを使用したポンプ、国内のマグネットポンプメーカーで俗にポンプと言われるほとんどの製品は渦巻きインペラーのポンプです。

強いて喩えるならば、薄くて無数の突起が付いている低流量・高圧力を出すカスケードインペラーはより尖ったイメージのトランクス。

おわん型のふっくらとした大流量・低圧力を出す渦巻きインペラーは、そのままゴテンと言えるのでないでしょうか。

 

 

■カスケードは良いとこどり

スペックポンプの特徴であるカスケードインペラーは、先に挙げた渦巻きポンプと容積式ポンプの中間に位置するインペラーとも言われています。

 

容積式ポンプ

 

容積式ポンプは簡単に言うと、インペラーとケーシングの非常に狭い空間を利用し、吸引→圧縮→排出を行う高圧に特化したポンプです。流量はほとんど出ませんが、とんでもなく高い圧力を出すことができます。

 

カスケードポンプは、この容積式ポンプと渦巻ポンプの良いとこどりをしたようなポンプです。

 

 

渦巻きポンプほど流量は出ないが、ある程度の流量(200l/m以下)は出せる。

容積式ポンプほど高圧力は出せないが、ある程度の圧力(2.0MPa)は出せる。

 

     

そんな良いとこどり、ファミレスで言えばエビフライハンバーグ定食、ラーメン屋で言えばラーメン餃子定食、韓国料理屋で言えばキンパチジミ定食と言われるのが、カスケードポンプの特徴だと思います。ポンプ界のエビフライハンバーグ定食ことカスケードポンプと覚えて頂けたら幸いです。

 

 

国内ポンプでカスケードインペラーが比較的少なくなった理由は分かりません。

おそらくその理由は、ポンプの用途として昔は、大量の流量の水をできるだけ多く流すという単純なものがほとんどたったため、と推測されます。

それが時代の流れと共に、装置内に熱交換器やコンデンサー、コンプレッサーやくねくねと曲がった配管なども加わり、システム抵抗値がどんどん上がっていき、その細い配管を突破するための高圧力の必要性という形で、カスケードポンプの需要が高まったのではないでしょうか。

 

ちなみに、くねくね配管が増えた装置の曲線はこの図のように、傾斜が激しい曲線になる(=流量が出づらくなる)のは、最後に真面目なポンプの話です。

 

 

 

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