多くのポンプの配管システムの問題は吸い込み側に集中しています。
ポンプは液体を吸い込みませんので、システム全体で液体がポンプ内部のインペラーまで到達させる必要があります。
吸い込み側の配管に問題があると、液体がうまくポンプ内部に引き入れる事ができません。ここでは理想的なポンプの吸い込み側配管について見ていきます。
①吸い込み側の直管はポンプ吸い込み系d(mm)の5~10倍は取る
吸い込み側の直管長さをポンプ吸い込み系d(mm)の5 から10倍取る理由は
ポンプに流れ込む液体の流れを整えるためです。
この長さが短いと流れに乱れが出来るため、うまくインペラーに液体が流れ込みません。
②吸い込み側の直管は出来るだけ短く
①と矛盾するようですが、吸い込み側の直管系はそれでもシステム抵抗値の観点から出来るだけ短く取ることが理想です
③L字配管は出来るだけ少なく
L字配管やバルブはシステムの抵抗値を増やす要因になります。これは⑤NPSHa(有効吸い込みヘッド)を減らす要因にもなります。
④流速が速い時は直管はd x 5~10を確保する
流れ込む液体の流速が速いと、流れに渦などの乱れが生じやすくなります。そのために出来るだけ直管の長さを取り、流れを整えてあげます。
⑤NPSHa(有効吸い込みヘッド)は出来るだけ大きく取る
NPSHa(有効吸い込みヘッド)はポンプに押し込む圧力の大きさです。
これが十分にあればポンプのキャビテーションのトラブルが少なくなります。