比速度で分類する遠心ポンプのインペラタイプ

スペックポンプを構成するインペラーの形状には主に2つあります。

渦巻きインペラーとカスケードインペラーです。

ポンプ性能の特徴を1つの数値で表す比速度(Ns)

流量や圧力などによって、遠心ポンプの大きさや形状は様々に変わります。この様々な遠心ポンプのインペラ設計を同じ土俵で比較するために、1つの数値で表したものを比速度(Ns)と言います。

この比速度を用いれば、サイズも形状も異なる渦巻きポンプとカスケードポンプの比較を行う事ができます。

比速度の計算式は下記で表され、【流量】【回転数】【圧力】の3つのファクターから導きます。

一般的に通常(渦巻きインペラーなど)のインペラーの比速度(Ns)は100を下限として~400程度ですが、カスケードインペラーは50~100程度になります。

下記のグラフで比較すると、カスケードインペラーの赤・オレンジなどは比速度50付近になり、渦巻きインペラーの緑・青色の比速度は150~200になります。

ポンプ効率で見れば、渦巻きインペラーがカスケードインペラーよりも高いことが分かります。これはカスケードインペラーの特徴である、小さい羽根車を循環させながら昇圧させるその構造にあります。

比速度とインペラー形状

比速度で比べると”カスケードインペラー<<渦巻きインペラー” になりますが、これはあくまでそのインペラーの特徴であり、比速度が大きい方が優れたインペラーという訳ではありません。

上記のインペラー断面スケッチにもありますように、

カスケードインペラーは小流量・高圧力を生み出すような、細く縦に立った形状をしているのに対して、

渦巻きインペラーは大流量・低圧力を生み出すような、太く横に広がるような形状をしています。

ポンプの能力(流量・圧力)はインペラーの形状だけで決まるのではなく、ポンプケーシングの形状によっても変わってくることを覚えておきましょう。

 

カスケードインペラーの高圧力に特化した特徴

スペックポンプのあらゆる特徴はこのカスケードインペラーをポンプに採用しているところから始まります。カスケードインペラーは通常、ポンプ業界で呼ばれているポンプである渦巻きインペラーとは異なり、200l/m以下の小流量ながらも高い圧力を出す事に特化したインペラーです。この高圧力を生み出すことができるカスケードインペラーという形がシステム抵抗値の高くなった複雑な回路にもしっかりと流量を流す事ができる要因になります。

渦巻きインペラーでもインペラーを何枚も重ねる多段型にすれば高圧力を出すことは可能ですが、コストが増すのと故障を起こした際のメンテナンスの手間を考えると最適なソリューションとは言えません。しかしカスケードインペラーならば、容積式ポンプと非容積式ポンプの間のようなその特徴により、ある程度の流量を高い圧力で流すことが可能です。

 

 

また渦巻きインペラーを1枚で何とか希望の稼動点を出そうとしますと必然的にインペラーサイズとモーターサイズが大きくなり、ポンプが巨大化してしまう難点があります。”スペックポンプは他社製品よりもコンパクトなのに圧力がしっかり出る”という評価をよく頂きますが、これはカスケードインペラーを採用し高圧力を生み出すために特化したポンプにしているためです。

性能曲線の傾きが強いカスケードインペラーは小さいモーターサイズでも高い圧力を出す事ができるのに対して、曲線の傾きがほぼ平行である渦巻ポンプはインペラーサイズを大きくしないと(モーターサイズを大きくしないと)一定の圧力を出すことができません。必然的に渦巻ポンプで稼動点を出したいとなった場合はポンプサイズが大きくなっていきます。

 

流量に応じて圧力が一定の渦巻きインペラー

渦巻きポンプはインペラーをケーシング内で回す事で、遠心力の力で媒体に圧力と速度のエネルギーを与えるポンプです。渦巻きポンプはカスケードポンプとは違い、流量が上がる程(弁を開ける程)に消費電力値が上がります。圧力が上がる程、消費電力値が上がるカスケードポンプとの大きな違いです。ですので渦巻きポンプの起動時では、なるべく弁を締めて流量が少ない状態で運転をスタートさせる方が、モーターに負担が掛かりません。

 

性能曲線もカスケードタイプに対して、傾斜がゆるいカーブになっています。流量に対して圧力差が少ないのが特徴です。またカスケードポンプよりも圧力を出すことは出来ませんが、大流量の媒体を流すことができます。ポンプ内の写真を見ると、渦巻きポンプは圧力ではなく流量を多く出すための構造に、カスケードポンプはより圧力を出すための構造になっていることが分かります。

 

 

      

渦巻きポンプは、そこまで高い圧力は必要とせず大きな流量だけが欲しい用途に適したポンプです。内部循環系に使用される事が多いポンプです。スペック社のマグネットポンプにはカスケードタイプと言われる、低流量・高圧のインペラーが主に使われていますが、こちらの渦巻型マグネットポンプも用意してあります。

 

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